PostgreSQL データベース開発環境を簡単に構築する方法
PostgreSQL 開発環境を簡単に構築できる pgDevOps とは?
PostgreSQL データベースの開発環境を整える場合、PostgreSQL データベース本体をダウンロードしてインストールした後、さらに様々なソフトウェアをインストールする必要があります。また環境によっては複数の異なる PostgreSQL データベースのバージョンを使い分けたりしなければならないため、毎回ファイルをダウンロードしてインストールする必要があり、とても手間が掛かります。
しかし、そうした作業を簡易化してくれるソフトウェアが pgDevOps というソフトウェアです。このソフトウェアを導入することで、複数の PostgreSQL バージョンを1つのソフトウェアでインストールすることができ、さらに PostgreSQL 開発ツールや拡張機能も一気に導入することが出来ます。
この記事では pgDevOps のインストールから基本的な使い方までを解説します。
pgDevOps のダウンロードからインストールまで
最初に pgDevOps のホームページにアクセスします。https://www.openscg.com/bigsql/pgdevops/
次のようなページが表示されますので、Downloads ボタンを押します (赤枠部分)。
すると画面が遷移して下図のページが表示されますので、Windows を使っている場合には "Download for Windows" ボタンを押します (赤枠部分)。
ボタンを押すとすぐにファイルのダウンロードが開始されます。ダウンロードが完了すると "PostgreSQL-9.6.5-1-win64-bigsql.exe" というファイルが保存されます。
"PostgreSQL-9.6.5-1-win64-bigsql.exe" ファイルを実行します。すると下図のようなインストール画面が表示されますので "Next" ボタンを押して次に進みます。
下図のようにインストール場所を聞かれますが、特別な事情がない限りそのまま "Next" ボタンを押します。
下図の通りどのような機能をインストールするか聞かれますが、ここでは pgDevOps だけを選択して "Next" ボタンを押して次に進みます。
そして下図のように postgres データベース・ユーザーのパスワードが聞かれますので、パスワードを2回入力して "Next" ボタンを押します。もしデータベースのポート番号やデータベースの保存場所を変更したい場合には、"Advanced PostgreSQL Configuration Options" にチェックを入れて適時変更します。
今度は pgDevOps ツール (後述する PostgreSQL 管理ツール) へブラウザでアクセスする際のメールアドレスとパスワードを入力し、"Next" ボタンを押します。
そして下図のようにインストールの最終確認画面が表示されますので、問題なければ "Next" ボタンを押します。
すると下図のようにインストールが開始されますので、完了するまで待ちます。
インストール中には初期データベースも自動的に作成されます。
インストールが完了すると下図のようにインストール完了画面が表示されます。"Finish" ボタンを押すと pgDevOps というウェブツールが実行されます。
なおインストールが完了すると、次のようなショートカットが作成されます。"Start PostgreSQL 9.6" というショートカットを押すと PostgreSQL データベースが起動され、停止する際には "Stop PostgreSQL 9.6" というショートカットを押せば PostgreSQL データベースが停止します。
またデータベースに接続するには "PSQL" というショートカットを押すと、次のようなコマンドライン操作画面が表示されます。下図は初期状態での PostgreSQL データベース一覧を表示しています。
pgDevOps ウェブツールの管理画面にアクセスする
次に pgDevOps ツールにブラウザでアクセスします。ブラウザを開いて次の URL にアクセスします。http://127.0.0.1:8051/
すると次のように認証画面が表示されますので、インストール時に入力したメールアドレスとパスワードを入力して "Login" ボタンを押します。
pgDevOps ツールにログインすると下図が表示されます。この画面がダッシュボードと呼ばれるもので、表示されているそれぞれのアイコンは各ツールへのショートカットとなっています。
またダッシュボードの "Server Manager" というアイコンをクリックすると、次の画像のように PostgreSQL が稼働しているサーバーの CPU 利用状況に加え、ディスク I/O の負荷状況もグラフで見ることが出来ます。
さらにダッシュボードの "Log Tailer" というアイコンをクリックすることで、PostgreSQL データベースのログファイルをウェブブラウザで見ることが出来ます。
pgDevOps ツールのパッケージマネージャを使う
pgDevOps のパッケージマネージャとは?
pgDevOps ツールはここまで説明したツール類だけでなく、さらに様々なソフトウェアをインストールすることが出来ます。ダッシュボードの "Package Manager" をクリックします。すると次のような画面が表示されます。このパッケージマネージャは非常に便利で、最初のインストール時には PostgreSQL 9.6 というバージョンをインストールしましたが、最新の PostgreSQL 10 を追加インストールすることもでき、また古いバージョンもインストールすることが出来るようになっています。
PostgreSQL の拡張機能をインストールする
さらにこのツールの便利なところは、PostgreSQL の拡張機能をインストールすることが出来るのです。ここでは pgAgent というデータベースの中で定期的に何を実行することが出来る拡張機能をインストールしてみます。パッケージマネージャの画面で pgAgent というアイコンをクリックすると、次のような画面が表示されます。
この画面で "Install" ボタンを押すだけで拡張機能が自動的にダウンロードされてインストールされます。もちろん不要になった拡張機能は同じようにアンインストールすることも可能です。
まとめ
pgDevOps ツールを導入することで PostgreSQL 開発環境をとても簡単に導入できます。またパッケージマネージャを使って様々な拡張機能を手軽に試すことも出来るため、専用のサーバーを用意したりすることなく、手元のマシンで実験することが出来ます。このツールは PostgreSQL データベースに触れるには必須のツールと言えるでしょう。