Windows に Oracle Instant Client をインストールする
Oracle Instant Client とは?
Oracle Instant Client とは、オラクル社が提供する無料かつ軽量なライブラリ及び SDK (Software Development Kit : ソフトウェア開発キット)です。これを使うと Windows マシンからローカルのデータベースやリモートの Oracle データベースに接続できるようになります。Oracle と言えば高価なデータベースと言われていますが、Oracle Instant Client は無料で提供されていますので、Oracle データベースに接続するのは実質無料ということです。
Oracle Instant Client に関してオラクル社のホームページでは次のように述べられています。
Oracle Instant Clientは、Oracle Databaseアプリケーションの開発と本番環境のデプロイメントを可能にするツールです。Node.js、Python、PHPなどの人気の言語や環境に対して使用でき、また、OCI、OCCI、JDBC、ODBC、Pro*Cアプリケーションにアクセスできるようになります。Oracle Instant Client をインストールすることにより、Windows から Oracle データベースへ接続する開発環境を無料で整えることが出来るようになります。
ISVおよびパートナー様には自社のアプリケーションにInstant Clientをバンドルできる大きなメリットがあります。
Oracle Instant Client とダウンロードする
Oracle Instant Client はオラクル社のライセンスに同意した上でダウンロードする必要があります。インストールする Windows が 64 ビット版か 32 ビット版かによってダウンロードするファイルが異なります。ファイルをダウンロードするには以下のリンクへアクセスします。
[Windows 64 ビット版]
http://www.oracle.com/technetwork/topics/winx64soft-089540.html
[Windows 32 ビット版]
http://www.oracle.com/technetwork/topics/winsoft-085727.html
ここからは Windows 64 ビット版で説明しますが、32 ビット版も同じ手順です。
上記 URL へアクセスすると以下のような画面が表示されますので、最初に "Accept License Agreement" の左側にあるボタンをクリックします(赤丸部分)。これでライセンスに同意したことになります。
その後青丸で囲まれたファイルをそれぞれダウンロードします。
- instantclient-basic-windows.x64-12.2.0.1.0.zip
- instantclient-jdbc-windows.x64-12.2.0.1.0.zip
- instantclient-sqlplus-windows.x64-12.2.0.1.0.zip
- instantclient-sdk-windows.x64-12.2.0.1.0.zip
- instantclient-odbc-windows.x64-12.2.0.1.0-2.zip
- instantclient-tools-windows.x64-12.2.0.1.0.zip
全てのファイルをダウンロードしたら、次に Oracle Instant Client をインストールします。
Oracle Instant Client をインストールする
ファイルを展開する
ここでは C:\APPL\instantclient-windows.x64-12.2.0.1.0 という新しいフォルダを作成して、ダウンロードしたファイルを全てフォルダの中に移動します。そしてそれぞれのファイルを同じフォルダの中に1つづつ解凍していきます。すると次のように instantclient_12_2 というフォルダの中に解凍したファイル全てが保存されます。
instantclient_12_2 フォルダの中には、次のように解凍した Oracle Instant Client ファイルが保管されています。
ODBC ドライバをインストールする
次に ODBC ドライバをインストールするために、コマンドプロンプトを開いて以下のように2つのコマンドを入力すると ODBC ドライバがインストールされます。cd C:\APPL\instantclient-windows.x64-12.2.0.1.0\instantclient_12_2 odbc_install JA
"odbc_install" コマンドだけを実行すると英語(US)の DLL ファイルがインストールされますが、"odbc_install JA" とすると日本語バージョンの ODBC ドライバがインストールされます。ここでは日本語バージョンをインストールしますので "odbc_install JA" としています。
PATH 環境変数と TNS_ADMIN 環境変数を設定する
編集画面が表示されたら、下図のように "ユーザー環境変数" の中の "Path" 環境変数に "C:\APPL\instantclient-windows.x64-12.2.0.1.0\instantclient_12_2" を追加します。追加後は全て "OK" ボタンを押して画面を全て閉じます。
TNS_ADMIN に設定する値は Oracle Instant Client を解凍したディレクトリ (C:\APPL\instantclient-windows.x64-12.2.0.1.0\instantclient_12_2) です。
さらに NLS_LANG という新しいユーザー環境変数も作成します (下図)。
NLS_LANG に設定する値は Japanese_Japan.JA16SJIS です。もし SQL*Plus で文字化けしてしまう場合には以下のいずれかを試してみるようにします (環境に依存します)。
- Japanese_Japan.JA16SJISTILDE
- Japanese_Japan.AL32UTF8
- Japanese_Japan.JA16EUC
- American_America.JA16SJIS
SQL*Plus で Oracle データベースに接続してみる
sqlplus ユーザー名/パスワード@ホスト名:ポート番号/サービス名
この書式に従って次のようにコマンドプロンプトで sqlplus コマンドを実行します。
sqlplus username/password@192.168.0.100:1521/orcl
まとめ
無料でここまで Oracle 開発環境が準備できるのは素晴らしいことです。Oracle Instant Client には SQL*Plus コマンド以外にも SQL*Loader (CSV ファイルなどを Oracle データベースにアップロードする機能) や、exp コマンド (データベースやテーブルをファイルにエクスポートする機能)、imp コマンド (exp コマンドでファイルにエクスポートしたファイルをインポートする機能)等、便利な機能がいくつもあります。また Oracle Instant Client をインストールしておくことで、Oracle のライブラリーやコマンドを必要とする様々なソフトウェアを使えるようになります。